「海でのはなし。」
宮崎あおいと西島秀俊は以前から気になっている俳優だ。カゲのある表情、それも透明感のあるピュアなカゲリを表情で出せると言おうか。私が観ようとする映画によく出てくるので意識するようになった。そんな二人を主役にスピッツの曲をイメージしているというのだから期待しないわけがない。
だが、結論から言うと、これは明らかに駄作だろう。ストーリーがあまりにもベタで、あきれるというのを通り越して、吹き出してしまうのを我慢していたくらいだ。曲の合わせ方もいまいち。スピッツの曲と宮崎・西島の取り合わせはイメージ的にぴったりだと思うだけに、本当にもったいない。
上映終了後に監督の大宮エリーとおすぎのトークがあった。何でも、スケジュールの都合から一日で構想を立て二日で撮影を終えたらしい。その点だけで言うと、確かによくここまで小器用にまとめ上げたと感心はする。しかし、それはあくまでも製作側の都合だ。金を払って観に来た立場からするとどうにもいただけない。おすぎの映画評はいつもシビアで的確だと思うが、監督とは個人的に仲が良いらしく今回は歯切れが悪かった。「こういう映画があってもいいと思うのよ」「西島クンが出ているだけでもう最高!」というノリで、作品そのものについてのコメントは濁していた。
【データ】
監督・脚本:大宮エリー
2006年/71分/カラー
配給:リトルモア
(2007年1月12日、ユーロスペースのレイトショーにて)
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コメント
おすぎは嫌いだ。
ビートたけし(というより、北野武か?)が言うとおり、何で
映画評論家が映画のコマーシャルに出るのか。
淀川長治が日曜洋画劇場に出るのとはぜんぜん違う。
投稿: | 2007年1月21日 (日) 11時33分