「武士の一分」
◆「武士の一分」
三村新之丞(木村拓哉)はお毒見役という退屈なお役目に飽き飽きしていた。早く隠居して将来は子供たち相手の剣道場を開きたいと妻の加世(檀れい)に語る。中間の徳平(笹野高史)も含め、三人の貧しいが穏やかな日々。しかし、ある事件で何もかもが一変してしまう。調理の不手際で貝の毒にあたり、失明してしまったのだ。得意の剣を振ることはもうできない。武士として死んだも同然。この世のすべてから見放されてしまったような絶望感にたたき込まれた上に、信頼していた加世の不審な挙動に心がざわめく。思い余った三村は再び剣を手にする…。
私は普段なら山田洋次の映画をわざわざ観に行くことはない。寅さんシリーズや釣りバカシリーズなどのマンネリな印象があること、また「学校」シリーズを観てすごく嫌な鳥肌が立ったことも理由である。しかし、今回は色々と評判が高いし、この人は山田洋次の映画なんて評価しないだろうと思っていた人までほめちぎるので観に行った。確かにとても良かったと思う。怒りのぶつけどころのない不条理の中、自分なりの筋道をつけようともがく葛藤には心打たれる。
実は木村拓哉もあまり好きではない。しかし、今回、役柄にすんなりとはまっており、正直言って驚いた。また、いつも脇役として目にしてはいてもあまり意識することのなかった笹野高史が実直さと飄々としておどけた味を出しておりとても良かった。
(2007年1月20日、新宿ジョイシネマにて)
【データ】
監督:山田洋次
2006年/日本/松竹/121分
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コメント
NHKのBSで寅さん映画を放送しているのだが、最後期の
作品は目も当てられないな。ひどい内容だ。甘ったるくて見て
いられない。
もっとも、寅さんも初期の作品は喜劇映画としてはよく出来て
いるのだが。
おいちゃん役が森川信だった頃の作品を見るといいよ。
投稿: みつぼ | 2007年1月26日 (金) 16時31分